Diary & Novels for over 18 y.o. presented by Reica OOGASUMI.
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      最終更新21th Sep.2021→「Balsamic Moon」全面改装



 晋作から電話があり、私は週末を下関で過ごすことになった。
「ごめん………」
 私が下関に行くことに決まって、大久保の落ち込みは増す一方である。
「なるべく早く帰るから」
「………」
「お土産買ってくるから」
「……………」
「寝る前に電話するよ。おやすみって、ちゃんと言う」
「……絶対ですね?」
「うん、絶対」
「……」
 それでも大久保の顔は冴えないままだ。大久保はいつも週末を楽しみにしているから、今日の私の突然の予定変更がよほどショックなのだろう。私はできるだけ明るい口調で言うことにした。
「明日の午後発って、東京には日曜の二時過ぎに戻るよ」
「………お迎えに上がります」
「…ありがとう。じゃぁ、そのままどこかに買い物とか行こうか」
「……お疲れが更に増すのじゃないですか?」
「それくらい平気だよ」
「じゃぁ……」
「うん…」
「…日曜の午後は、ずっと私といてください」
 私は大久保に近づいて、つま先で立って背伸びして彼の唇にキスをして、日曜の約束をし、出発の許可を貰った。

 だから私は早く帰って
 たとえ私がとても疲れていても
 大久保に 元気な姿をみせなければ
autor 覆霞レイカ2012.07.26 Thursday[01:56]
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