Diary & Novels for over 18 y.o. presented by Reica OOGASUMI.
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      最終更新21th Sep.2021→「Balsamic Moon」全面改装



 朝から降り続いていた雨が止んで、窓の外には大きな虹が空いっぱいにかかっている。
 木戸さんも眺めているのだろうか。
 などと思いながら俺は会社を後にした。虹を追いかけるようにして木戸さん宅に帰る。いったん車から降りて軒下から垂れる雨水が西日を浴びてきらきら輝く道を、俺はのんびり歩き夕食の買出しに行った。
 今夜は何がいいかな。肉かな、魚かな。木戸さんはあまり肉がお好きじゃないからなぁ。俺はなんでも食べるけど。
 でも木戸さんは好き嫌いがある(野菜よりも果物が好きでトマトがお苦手)とは言え、食べてください、と言えば素直に食べてくれるから、作る俺のほうも嬉しいことこのうえない。
 というわけで今夜は食べやすいハヤシライスにすることにした。
「ただいま…」
 木戸さんは六時過ぎに帰ってきた。
「おかえりなさい」
 エプロン姿で玄関に出ると、木戸さんがスーパーの袋を提げているのが見えた。
「お買い物ですか?」
「急にヨーグルトが食べたくなって…」
「じゃぁ、果物と合わせてフルーツヨーグルトにしましょうか」
 名づけてレインボーヨーグルト。
 俺の提案に木戸さんは笑って応えてくれた。
 俺はキッチンに戻って木戸さんの買ってきたヨーグルトをボールに空け、果物を刻んで砂糖と混ぜた。
 虹色の幸せを木戸さんとふたりで味わえるように。
autor 覆霞レイカ2012.07.26 Thursday[01:55]
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