眠る少し前の木戸さんの髪を、俺は梳いていた。俺のとは違う、芯があるくせに柔らかい真っ直ぐな髪の毛は、木戸さんの性質をよく現していると思う。綺麗に整っているときも、乱れたときも酷く美しく映え、周りのものを圧倒するから。
「……そんなに見るな」
「声が掠れていますよ」
「!…」
 はっとして喉にあてた手を奪う。深夜、こういう状況でしかみられない顔の彼をじっとみつめる。自分だけに許されたのが嬉しいせいか、口走っていた。
「好きです」
 いつになく真剣な眼差しで。
「……」
 俺の変化に木戸さんも気づいてくれた。漆黒の目が開く。
「…お…くぼ…」
「木戸さん…」
 俺は木戸さんに覆い被さるようにして、自分の想いを埋め込んだ。


「いってくる」
「お気をつけて」
 朝。
 彼は俺に背中をみせて、車に乗り込んだ。出発に際して、彼は決して振り返らない。
 踏み出したら、進むだけなのだ。
 振り返らない。振り返らない。
 真っ直ぐに、透明で逞しい世界だけを目指して。
 剣道だけで食べていける彼。
 文章も書いていける彼。
 もっと明るくて楽しい生き方があったのに
 彼が選んだのは、透明でありたいはずの彼にもっとも相応しくない、政界だった。
 彼が政界に身を置く限り、彼が俺だけのものになることはないけれど、
 躊躇いも疑いも無く歩んでいこうとするこのひとの背中が
 俺はいちばん、好きなのかもしれない。



0時を過ぎました→K「い…っ」、O「大丈夫ですか」、K「……(涙目で耐える)うん…」、O「木戸さん……」
1時を過ぎました→O「おやすみなさい」、K「おやすみ…」
2時過ぎです→K「(すやすや)」、O「(幸せ顔)」
午前3時です→二人は抱き合っています。
4時過ぎです→O「(Kの柔らかい髪の毛が首に触れて目が覚める)」、K「ん……」
5時を過ぎました→恐ろしい程の熟睡です
6時を過ぎました→K「…ん……」、O「もう少し眠ってていいですよ」、K「うん……」
7時を過ぎています→「いただきます」
8時を過ぎました→O「(歯を磨いている)」、K「(鞄を磨いている)」
9時を過ぎました→O「今日は早く帰ります」、K「私も出来るだけそうするよ」
10時です→O「(行って来ますのキスをもらったので、機嫌がいい)」、K「(時々思い出して赤面する。風邪じゃないかと心配される)」
11時を過ぎました→真面目に仕事中。
12時です→K「(昼食を忘れて仕事に没頭している)」、O「『3●クッキング』でみたことをメモしている)」
1時を過ぎました→K「(差し出された弁当に漸く気がつく)もうこんな時間か…」、O「(会議中)」
2時を過ぎました→O「(PC上での作業が続く)」、K「(大量の書類に目を通している)」
ちょっとひと息3時を過ぎました→K「(休憩しなきゃだめです!と言われて休憩中)」、O「(岩倉社長と一緒にコーヒーを飲んでいる)」、Iwa「木戸さんはお元気かの」、O「それはもう。毎日ですから」、Iwa「……」
4時を過ぎました→K「(仕事再開)」、O「(仕事終了。部下達の様子をみにいく)」
5時を過ぎました→O「夕陽が眩しいな…」、K「(事務所に押しかけてきた取材陣のKに集中するカメラの)フラッシュが眩しいな…」
6時です→K「(明日の打ち合わせをして仕事終了)」、O「終った…木戸さんに会える」
7時を過ぎました→ほとんど同じ時間に「ただいま…」
8時を過ぎました→TVをみながら食事している
9時を過ぎました→O「木戸さん…」、K「ここではだめだ…!」
10時を過ぎました→シャワーを浴びている。K「変なところは触るなと…!」、O「貴方のお体で変なところなどありません」
11時を過ぎました→ワイングラスを傾けている。KをみるOの目が普段以上に妖しいので注意。

season2/// ◇MondayTuesdayWednesdayThursdayFridaySaturdaySunday
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覆霞レイカ・ぷれぜんつ