俺はすっかり熱が引けた。まだ眠っている木戸さんの肩にきちんと布団をかけて、ベッドを出て、うーんと伸びた。
 今日は金曜日。さっさと仕事を終らせて、食事にでも行きたい気分だ。俺が病み上がりなのを気にした木戸さんが、俺に食事は作らせてはくれないだろうから。
 振り返って俺は木戸さんをみた。
「………」
 表情も穏やかだし、風邪のぶりかえしもなさそうだ。よかった、と安心する。
「……………」
 TVでみる木戸さんは凛々しい。けれどベッドでぐっすり休んでいる木戸さんはあどけない顔をしていて、このまま閉じ込めたい気分になる。議論の得意な彼が凛々しいのはもちろんだが、実はこちらから話し掛けない限り結構無口で、自分でじぃっと考え込むひとであることは、あまり知られていない。なにせ木戸さんは日本のアイドルだから周りが放っておかないのだ。写真集まで出るなんて、まったく俺の木戸さんなのに…
 …といいつつ、俺ももっていたりするのだが(しかも木戸さんに頼んで表紙に直筆サインを書いてもらった激レア品)。
『私の写真なんかみて楽しいのか?』
『とても楽しいです。ほかのひともきっと同じ気持ちです。』
『…楽しい気分になるのなら、構わないのだが……なにも剣道場まで隠し撮りされなくてもいいじゃないか…』
『確かにプライバシーに触れることですが、貴方の寝顔は私が守りますから』
『…ばかっ』
 思い出して俺は肩を震わせて笑った。ベッドの上が動く気配がして振り返ると、木戸さんが
「う……ん…」
 と寝返りをうつところだった。
 俺は足音を忍ばせてそっと枕もとに近づく。
 この寝顔は俺が守りますから。
「……」
 木戸さんを起こさないよう俺は上体を折り曲げてまだ眠る彼の額に口付けた。



0時を過ぎました→K「そろそろ寝よう」、O「(夢のなか枕を抱き締めて)木戸さん…」
1時を過ぎました→O「ZZZ…」、K「(すやすや)」
午前2時過ぎです→K「(起きて大久保の様子をみる)」、O「(みつめられて幸せ)」
午前3時です→K「(すやすや)」、O「(ふよふよ)」
4時過ぎです→熟睡中。
5時を過ぎました→K「(ぐっすり)」、O「(熱が引けて元気回復)」
6時を過ぎました→O「よくお休みでした」、K「おはよう…具合はどうだ?」、O「今夜証明して差し上げます」、K「ばかっ」
7時を過ぎています→K「味覚戻ってるか?」、O「はい。貴方を味わうぐらいには…」、K「…」
8時を過ぎました→K「(髪を梳かしている)」、O「(髭を梳かしている)」
9時を過ぎました→二人は出勤しました。
10時です→K「(国会で談話中、天井カメラが木戸のうなじにある跡を見つけてズームアップ。ワイドショーの話題になる)」、O「(テレビをつけて)あ、しまった」
11時を過ぎました→K「(国会で討論中。彼の美貌に惹かれた各国の王室が彼を招待すると言い出し、護衛に軍隊を出動させるか否かで揉めている、とメディアが報道する)」、O「(まだテレビをみている)木戸さんは軍隊嫌いなのに…でも俺は好きだ。軍服とか」
12時です→O「(昼食中)」、K「(国会後記者会見。フラッシュが眩しく、睫毛を伏せるがその姿が麗しいと再びフラッシュの嵐)」
1時を過ぎました→K「(お車で移動中)」、O「今夜はどうするかなぁ…」、Ito「あの〜部長、その話題はここではちょっと…」
2時を過ぎました→O「(仕事中)」、K「(坂本や武市らと遅い昼食)」
3時を過ぎました→K「(お車で移動中)」、O「(おやつを食べている)」
4時を過ぎました→O「(Kにメールを送る)夕飯はどこか美味しいところで摂りませんか」、K「(Oからのメールをみる)外食か…(プププ、と打ち込む)了解、と」
5時を過ぎました→K「(スムーズに仕事を片付けていく)」、O「(浮かれている)」
6時です→O「終った」、K「(大久保にメールをしている)いま終った、と」
7時を過ぎました→K「(大久保の車に乗り込む)待たせたか…?」、O「いいえ。じゃぁ行きましょうか」、K「胃は大丈夫なのか?」、O「任せてください」
8時を過ぎました→K「美味しい」、O「でしょう?」、K「本当に大久保は美味しい店を沢山知っているんだな」、O「貴方の喜ぶお顔がみたいのです」、K「…」
9時を過ぎました→ごちそうさまを行って店を出る
10時を過ぎました→K「(帰宅後、早速ワインを飲もうとするOをみて)また熱があがるぞ」、O「貴方より私を熱くするものなどありません」
11時を過ぎました→K「だ…だめだ…!」、O「木戸さん…っ」


season2/// ◇MondayTuesdayWednesdayThursdayFridaySaturdaySunday
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覆霞レイカ・ぷれぜんつ