Diary & Novels for over 18 y.o. presented by Reica OOGASUMI.
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      最終更新21th Sep.2021→「Balsamic Moon」全面改装


 このところ毎日が眠い。
「ふぁぁ」
 俺が欠伸をしていると、目をこすりながら木戸さんが降りてきた。
「おはよう」
「おはようございます……木戸さん」
 抱きついた俺の背中を木戸さんは抱きとめる。
「どうしてこんなに眠いんでしょう?」
 尋ねる俺と
「大久保は早起きだから、もっと眠っていていいという意味なのかな…」
 返してくれる木戸さんは温かく…
「いつまでもこんな日が続けばいいのに…」
「…え?」
 いつまでもこのひととともにいられる生活は現実になりそうで、或いは夢のままのようで、けれど夢であることを俺は認めたくなくて。
「私が眠いのは…」
 木戸さんの白いシャツに頬を寄せれば柔らかい香りがする。
「ん…?」
「こうして…夢のような幸せをいつまでもみていたいからです」
「ばか………」
 ああ、またそんな顔で笑って。
 俺は本気なんですよ。
 本気なのに…
 こんなに眠いのは…
 この毎日が夢だからなのだろうか。
 いや、それは違うだろう。
 毎日があまりに幸せで、それが夢のようで、いつまでもここにいたいから、つい木戸さんに我侭を言ってみたかったのだ…
「自分でも分かっているんです。甘えてるなぁと…」
「甘えていいよ…」
「…いいんですか?そんなに私を甘やかして…図に乗りますよきっと」
「嫌ならいいけど」
「……じゃ、お言葉に甘えて」
 俺がそう言うと木戸さんは「ふふ…」と夢のように笑った。
autor 覆霞レイカ2012.07.26 Thursday[01:52]
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