
kizuato 2
updated on 29th Sep.2005 for St.Michael festival
部屋の中は常に温かく保たれている。斎藤が大久保という男の家に引き取られてから、一月が経っていた。
今宵は満月。
迎えたくないのか、…それとも待っていたのか、斎藤には分からなかった。
辛いから。あの丸い輪郭を見るだけでとても辛くなるから。
それでも月は昇る。あと数時間もすれば斎藤は再び人間の肉体を大久保の前に晒さなければならないのだ。
彼は優しかった。斎藤に与える食餌を決して「エサ」とは言わなかったし、初めて迎えた満月の夜に変化してしまった斎藤の体を見ても、目を瞠りはしたが理解してくれようとした。斎藤を怯えさせないように言葉を選んで斎藤の体格に合う服を探してきて、寒くないかと優しい声で訊いてきた。
…恐かった。何よりも“にんげん”が、一番信用ならないのだから。
だが、男は斎藤が威嚇するために剥き出しにした金の瞳をみても、とてもいい色をしている、と言って、斎藤の肩に自分の着ていたガウンを掛けただけだった。いい匂いがした。
ともだちになろうと、…なってくれないかと差し伸べられた掌に斎藤は戸惑った。が、男の褐色の瞳は人間の割にとても綺麗だと思った。いつかみたせせらぎのように澄んでいて、汚い印象はなかった。
少しなら信じてもいい、と答えた斎藤に、男は穏かな笑顔を向けてきた。胸がズキンと痛んだくらい。
次の朝目が覚めたとき小さな体になっていた斎藤は、男の寝顔からしばらく目が離せなかった。こいつはどうして自分を拾ったのだろうと、なぜ処分とかしないのだろうと。
斎藤は、己が容易ならぬ存在であることを知っている。動物の姿でも人間でも、“普通”から彼は余りにもかけ離れていた。夜の行動は控えていても、日の出ている間に狩をすれば野犬に追いまわされ、野鳥には三番目の瞳を狙われる。まして、満月の夜にはこれだ。自分を拾ったところでこいつにとって良い事はひとつもないのに。
そんなことばかり考えていた。温かな瞳を、思い出しながら――――。
すると強い視線の所為で、彼が起きてしまった。折角の日曜なのに早くに起こしてしまって、怒られたり嫌がられたりするのではないかと少し怯えた斎藤の背中に、すぅっと伸びてきた掌が毛皮を撫でて、そのまま「おいで」と布団の中に入れられた。
「もう少し眠ろう。こっちのほうが暖かいだろう?」
「……」
変なやつ―――――
思いつつ、斎藤も目を閉じた。肌から聞こえてくる男の鼓動を探して、それに自分の呼吸を合わせている己がそこにいた。
男は勤勉な公務員だった。毎朝決まった時間に出勤し、昼に近くの役所から戻ってきて斎藤と一緒に昼飯を食べる。見送りに玄関に立った斎藤の体を撫でて「行ってくるよ」と再び家を後にした。彼が去ったあと、斎藤は眠ったり遊んだりしていたのだが、一人で過ごす時間にだんだん寂しさを覚えていった。
午後五時過ぎに、彼は帰ってくる。鍵を開ける音がするのを、耳が敏感に捕らえるのだ。体が自然に走り出していて、気がつくとあの男の姿を待っていた。「ただいま」の声を聞きたくて。
最初の頃はそんな自分が気恥ずかしくて、廊下の途中で立ち止まりもしたけれど、彼の喜ぶ顔が嬉しかったから自分から駆け寄っていった。すると男は両手で斎藤を抱え上げ、毛皮を撫でる。その掌の感触と優しい声を、自分は待っていたのだと分かった。
それから二人で夕飯にする。斎藤の分も男と同じ型の皿に乗せてくれるのが嬉しかった。男はニュースやスポーツ番組をみながら、その日職場であったことなどを斎藤に聞かせた。狼のときの斎藤は、頷いたり首を傾げたりしかできなかったが、そうやって男と会話していた。食事が終わると二人で風呂に入った。一緒にいたいのは、自分も同じだった。
そのうち、夜も一緒に眠るようになった。斎藤が寝付くまでそっと毛皮を撫でてくれたし、注がれる暖かな眼差しがとても好きだった。朝に一人で目が覚めても、台所から包丁の音が聞こえてくると安心してはそのまま眠ってしまい、しばらくして起きると、布団の横に朝飯が置いてあった。
週末には出かけないでずっと斎藤の傍にいた。洗濯や掃除をする男の手伝いをしようとうろうろすると、「いいんだよ…おまえは寝ておいで」と静かに微笑んだ。それでも彼の背中をじっと見る斎藤を男は抱き上げて、肩に乗せてくれた。嬉しくて頬を摺り寄せると、彼も笑ってくれた。
…なぜ満月になると人間になるのか、とか、お前は何なのだ、とかいうことを、男が問うことは一度もなかった。動物の姿でも人間の姿でも、彼は同じに接してきた。
それが不思議で人間のときに尋ねると、男は「それがおまえなのだから」とだけ答えてきた。そのとき、斎藤は生まれて初めて、己の不完全さを他に認められたのだ。そのときの喜びが男を好きだと思う気持ちに繋がっているということに気付くまで、大して時間はかからなかった。
「…ありがと」
「ん?」
「なんとなく、言いたくなったから」
斎藤が言うと、男はふわりと微笑んだ。
そうしてはじまったふたりきりの毎日―――――手探りを繰り返して、だが一度も振り返ることなどなかった日々は、斎藤にとって初めて噛み締めた幸せだった。
穏かな日常が自分にもあるのだと、可能なのだと知った。寄り添えば心まで重なりあう。ひとつになる。
そして言われた。
おまえを抱きたいと。
驚いて男を見ると、済まなそうな、切なそうな顔があった。それは普段よりももっとずっと優しくて、見ているだけなのに胸が奥から痛んだ。そうして、嘘じゃないと、このひとは自分を好きでいてくれていると、思った。
だから、うんと言った。誰よりも、彼に喜んで貰いたかった。
最初はとても痛かった。男はやはり優しくて、痛がった斎藤に「ごめん」と言って途中で止めようとした。でも、「…やめないで」と言ったのは自分だったのだ。だからひとつになれたときはとても嬉しかった。
嬉しくてたまらなくて――――繋がっているところだけではなくて、体中がとても温かで…満たされて…。
月に一度きりの関係はとても切なくて、大切だった。嫌いなはずの満月をいつのまにか斎藤は待ちわびるようになっていたし、大嫌いな“にんげん”の自分すら、好きになっていく気がした。そんなことを教えてくれたのは、彼だったのだ。
…その男の食欲が、少しずつなくなっていった。おかしい、と感じたときには明らかに痩せ始めていて、何か良くない病気なのではないかと思った。男は病院に行ってきたが、「年の所為だから」心配要らないから、と斎藤を安心させようとした。
しかし野性が誤魔化されるはずがなかった。既に斎藤の本能は小さな病魔を嗅ぎつけていた。
だが斎藤は同時に、男を悲しませたくなかった。嬉しい思いだけをして欲しかったから、今悪くなっているだけで、そのうち治るかもしれないという儚くも希望に満ちた期待があったから、男のいう通り、それまでと同じように暮らしていた。人間になった夜は、負担を掛けないように斎藤が男の上に跨って抱かれた。
次第に温度を喪う肌、小さくなる鼓動…不安と恐怖に塗(まみ)れて、それでもふたりの夜を手放さなかったのは、せめて彼を癒したかったから。せめて、自分にできることをしたかったから。
これで…こうして抱き合えるのは、これで最後なのではないか…云い様のない悲嘆と体を繋ぐ喜びが交互に斎藤を襲って、男への想いはどうしようもないほどに膨れ上がっていった。
最後の数日間身動きすらままならなくなった男は、筋肉が衰えて腕一つを動かすにも侭ならぬ様子が痛々しく、動物の小さな体にできることは土色の頬に体を擦りつけるぐらいしか、なかった。
どんなときも、死病にとりつかれても、男は中途半端な体質の自分のことしか考えていなかった―――――もしも自分さえいなくなってしまえば、彼は病院できちんとした治療を受け、助かるかもしれないのに。元気になるかもしれないのに。
…そういうこころと裏腹に、自分は男の傍にいたいと思った。離れたくなかった。……その所為で彼が弱っていくことを、斎藤は知っていた。
やはり自分はいてはならない存在なのだ。弱りきった男を目の前にして、そう再確認した斎藤だったが、薄紫色の唇が自分を呼んだ気がして頭を上げると、
「……」
さようなら と
小さく小さく、男は呟いてその優しい瞳を閉じ、二度と開くことはなかった。
それまで大人しくしていた斎藤は、大久保の家に着くなり籠のなかから飛び降りて、逃げるように部屋のなかを走った。驚いた大久保が声を掛けてきても、全部無視した。
知らない香り、知らない部屋―――――見回しても、あの男はいない…分かっていたことなのに、苦しかった。ひとりなのが、離れ離れになるのがこんなに辛いことだなんて、初めて知った。
暗く悲しく、とても寒い…体を丸めても止むことのない侘しさに、埋もれそうだった。ほんとうは埋もれてしまいたかったのかもしれない。あの男のいない世界に未練など、既になくなっていたのだ。
そうして暗い部屋のソファでひとり丸くなっていた斎藤に、わざわざ起きてきたらしい大久保は元・主の形見の品となったセーターをそっと掛けた。突然のことに驚いたが、目覚めたのが分からないようにぎゅっと両目を瞑って、大久保が去るのを待っていた。
大久保なんて大嫌い。
あの男を助けてくれなかったから。
「また会えたな」
帰宅するなり人間の姿を呈していた斎藤を見て大久保は低い声で呼びかけてきた。月光は斎藤の望む望まずに関わらず、雲の無い夜は一晩中彼の体を蝕みつづけて二本足を斎藤に強制している。普段なら役に立つ鼻も耳も持ち合わせない斎藤は、大久保が近づいてくることにも暫く気付かないでいたらしい。
「お前は蕎麦が好きだと言っていたから、今夜は蕎麦にしようと思うが…いいか?」
「…うん」
「飲み物は何がいい」
「…お茶」
「じゃぁ、炬燵に入って待っていてくれ」
諭されて、大人しく斎藤はリビングの隣にある和室の中央にある炬燵に入って布団を肩から被った。
冬になれば厚く皮膚を覆うはずの毛皮が人間にはないので、こういうときの斎藤は寒さに弱い。狂犬病がすっかり治ったとはいえ、眼球が三つも有る動物を前に冷静に対処できる獣医はどこを探してもいないだろうから、たとえ風邪でもひかないに越したことはない。だから斎藤は大久保に言われるまでもなく、鳥肌が立つようになるときはリビングのホットカーペットの上で過ごし、人間の姿のときは炬燵に入って大久保が帰るのを待つ。
面倒なもので、斎藤の体は僅かの満月の光に反応するため、早い日にはまだ太陽の沈まぬうちに変化してしまう。すると急速に下がる気温に人間の肉体が着いて行けずぶるぶると震えだすのだ。そんな斎藤の様子を大久保は見知っているので、早く暖まるよう諭すのだった。
大久保の眼光は元・臨床医なだけに穏かではなく、且つ生来のものであろうきつい眼差しでじろじろ斎藤を観察しては、ふむとひとり頷いて書斎兼研究室へ入っていく。扉の隙間からそっと室内を覗き込めば、パソコンになにやら打ち込んでいるようだった。じっと見つめると広い背中が振り向いて椅子から降りた大久保が近づき「お前の成長日記だ」と言いながら小さな斎藤を抱き上げる。そのまま机の上のパソコンに連れて行かれて、『成長日記』と題された日記を読まされたりした。
内容も、なかなかのものだ。食事はこれこれが好きらしい、今日の睡眠は何時間等…だけでなく、洗い立ての洗濯物に足を絡ませた、とか、ボディーシャンプーの泡に埋もれて耳だけ出してもこもこ動いていたのが笑えた、とか余計なことまで如何にも楽しげに書いていて、「これは消せ」というふうに斎藤が獣の前足でデスクトップを指しても大久保は薄い唇を緩ませるだけだった。
というふうに、大久保との関係は表向き険悪からはほど遠い。
が、瞳を閉じれば浮かんでくるのは彼ではなく、既に冥界へと旅立った男の顔なのだ。
夜毎、それも満月が近づくたびに疼く躯を抑える術を、斎藤は知らなかった。
あの男と大久保の年の頃合は大して変わらず、そして大久保には妻も恋人もいないらしい。せめて滾(たぎ)る肉体を鎮めて欲しいと思うことはあっても、その相手に大久保を望む斎藤ではなかった。
しかし大久保の、こちらのすべてを見透かすような視線は、表面上は穏かに続けられている斎藤と自分との関係をも見通していたのかもしれない。
夕飯を食べて各々風呂に入って暫くしたあと、そろそろ眠ろうかと立ち上がった斎藤の腕を、不意に大久保が掴んだ。
「…なに」
訊いても、大久保は無言で腕を引き寄せただけだ。仕方なく斎藤はソファに座り直した。
大久保は静かに喋りだした。
「お前の前の飼主の話をしてもいいか?」
「――――――ん」
答えると、大久保はそうか、と言って続ける。
「来週の土曜が月命日になるが、一緒に墓参りに行かないか」
「……」
「お前ひとりで行くのは、どのみち危険だろう」
「……」
「嫌か」
「……」
「…愛していたのか」
大久保の問いに、斎藤の白い喉がひくついた。
斎藤の周りの空気が歪んだまま凍りついていく。
なんて男だろう。些(いささ)かの狂いも無く、大久保は斎藤の真実を衝いて来たのだ。大久保に決して心までは触れさせなかったのに。
彼にしかみせなかったのに。
「泣くんだ」
言って大久保は、俯き加減で背けようとした斎藤の顎をそっと掴んで引き戻した。
斎藤は驚いた表情で大久保を見た。金の瞳が揺れている。
「泣くんだ…おまえは苦しんでいるのだから……つらいのはおまえなのだから…」
…なんで分かるんだ。知られたくないから隠してきたのに。
そういえば、この男も手探りで斎藤に近づき、既に心に侵入しているのかもしれない。
――――――冬を過ごす蕾のように固く心を閉ざしている気になっていたのは、俺だけだったのか―――――
思いながら斎藤は泣いていた。溢れる涙を白い頬に流れるまま流して、泣いた。そんな斎藤の背中をそっと、大久保は抱き締めた。
『…大久保先生』
患者は土色の肌をして、傍らに膝をつく大久保を呼んだ。
『…驚かれたでしょう…初めて“あれ”をみたときは、私も…身が震える思いがしました』
患者の言う“あれ”とは、畳の向こうで開け放たれた窓から迷い込んできた蝶と戯れる動物のことだな、と大久保は思った。
『もう…三年も前になりましょうか…雨の日で…買い物帰りに土手を歩いていると、何かが倒れていたのです…濡れた土に身を沈めるようにして……長い耳なので…ウサギかと思ったのですが…瞳が三つもありました…』
彼は、もう起き上がることができなかった。前医に尋ねたところ既に全身への転移が明らかで、効果的な治療方法もなく、あとは死を待つだけの状態であった。前医は、患者の様子から或いは回復の見込みが無いことを本人は承知しているかもしれないとも言った。
案の定、患者は大久保に余命の告知を求めた。だから大久保は正直に答えたのだが患者の顔が翳ることはなく、寧ろ微笑みながら彼はひたすら不思議な動物を視界に追っていた。
基礎研究を始めてから交友関係は浅くなり、表の世界からは殆ど隔離されている。そんな状況の大久保に覚えの無い臨床医から連絡が入ったのは、十月の半ばであった。
身寄りの無い末期癌患者を看取って欲しい、という依頼だった。それも、患者本人の希望だという。
患者の名前と病歴を聞いても、とくに鮮やかな記憶はなかった。敢えて言えば、穏かでおとなしくて、医療スタッフの言うことを正しく守る人間という印象である。大久保が医師として彼と向かい合った期間は数年足らずで、その間に重病を呈したことはなかった。
そんな人間に死を看取らせるのはどうも納得行かなかったのだが。
『…手にとると、毛皮が大層濡れていて…しかも血を流しているのです…とても冷たくて…でも心臓は動いていました…だから…ここに連れて来ました…』
患者は、大久保に向けていた顔を向こうへ向けた。
『動物など飼ったことがなかったので…戸惑いましたが…取り敢えず包帯を巻いて血を止めて…体を暖めてやりました…その夜は心配で…眠れなかったのです…でも…小さな体がだんだん温かくなっていると分かったときは…とても嬉しかった…』
彼の目は細められていた。視線の先には動物しか映っていなかった。
『初めは怯えていたのですが…世話をしているうちに…私に、懐いてくれるようになりました…頭のいいやつで…私の言うことを、きちんと理解するのです…本当ですよ』
言って、彼は再び大久保を見た。縋るような眼差しで訴えた。
『…先生…どうか……“あれ”をお願いできないでしょうか…あのとおりの体なものですから…見つかったら、何に利用されるか分かりません…私、とても心配で……“あれ”は私の宝です…できるなら、私が守ってやりたかった…でも出来ません……御迷惑とは存じております、でもどうか…』
患者はそう言った数日後に、息を引き取った。
ただの飼主の思いにしては、深すぎると思った。己の身体を顧みない愛情とは良く言うものだが、真実それを実行できる人間が果たしてどれぐらいいるだろう。生き残った者は、必ず自分以外を犠牲にしてきたからこそ、そうやっていられるのに、それが生物の在り方なのに、患者は斎藤のほうが大切だったのだ。こうして大久保の肩に体を凭れされて静かに体を震わせる斎藤の姿が、ことのすべてを表していた。
動物のこころは穢れ無い。喜びも悲しみも手を加えることなく且つそれらから逃れる術を持たず、受け止めるしか知らない。受け止め方も、不器用なまでに真っ直ぐだから、たったひとつの情感で、己のすべてを費やしてしまう。
それほどまでに無垢な存在は、死んだ男にとってどれだけの救いであっただろうか。
不治の病に対し抱くはずの怒りと無念といったマイナスの感情を超えて、自分ひとりだけに向けられる純粋な瞳に見つめられて、どれだけあの男は満たされただろう。
その小さな魂が、自分の消えたいまでもなお、自分だけを求め、探して涙を流しているとなれば。
斎藤の涙は止まらない。愛する男のためにすべての感情が溢れて、抱えていた苦しみも何もかもを、いまやっと吐き出している。
…縮こまっていた斎藤の心も、こうして解放されていくだろう。
涙が尽きる頃には、二人の夜も明けるのだ。琥珀色の、優しい思い出だけを残して。
絶え間なく降る雪のように静かに、今度は自分が彼を愛していこうと大久保は思い始めていた。